温暖化、異常気象などで地球環境の悪化が自分ごととして感じられるようになってきました。
海水浴シーズンの前に、海水の検査をして「遊泳に問題ありません」みたいなニュースを見たことはありませんか?
実は私は、その海水を検査する仕事をしていたことがあります。3年間、環境分析の会社に勤めていました。
私は学生時代は高校、専門(2年目で中退しましたが…)と看護科だった為、化学の素養は全くありませんでした。
入社時の化学知識のレベルはそれ位です。(ブルーバックスの本には大変お世話になりました!)
しかし、「何だか騒音測定とか楽しそうだな!やってみるか!」位の感じで求人に応募したらその場で採用されました(何故ならブラックだから)。
初仕事は土をふるうこと
地味な仕事に向いていることがわかった瞬間
私が入社した分析会社では、大気、水質、土壌、産業廃棄物などを分析していました。
特に夏と冬は官公庁の仕事が立て込む為に大忙しとなります。
ちょうど大忙しな時に入社しちゃった私。きっと猫の手も借りたいくらいだったことでしょう。
先輩「じゃぁ、最初は土遊びからだね!」
と言われるがままに、私は分析に必要な土壌の検液(土と水を1:10の割合で混合して6時間機械で振とうしてろ過したもの)作成要因に駆り出されました。
慣れない実験器具に悪戦苦闘しながらも、どんな雑用でも楽しんでこなしました。先輩は、アホな私に化学の基礎から、分析に使う計算式までとてもわかりやすく教えてくれました!その楽しむスタンスが今の私の仕事にも大変活かされています。
主要メンバーが二人いっぺんに退職
しかし、そんな楽しい日々が一転します。いつも親しくしていた先輩達が退職してしまいました。
理由は恐らく激務による負担でしょうが直接は聞いていません。引き継ぎ期間は1ヶ月ほどだったと思いますが、その頃大腸菌検査に加えて当時先輩が担当していた蒸留操作をする分析(アンモニア、シアン、フッ素、フェノール)も引き継いだ為不安で仕方ありませんでした。
しかし不安を引きずる暇もなく、入社当初からやっていた土壌の検液サンプルの作成も並行しながら激務を続けていました。当時の残業時間は、月160時間にもなりました。
今振り返ると、分析が楽しくて仕方なかったから続けられたんだと思います。試薬で色が変わったり、分析機器を使って自分で測定値を得たりするのがワクワクしたんです。遊ぶように仕事をするというのは、こういうことなんだろうなと思いました。
増える仕事、入れ替わるスタッフ
断れない性格と何でもできて当然というプライド
超残業と分析というある意味独特な世界ということもあってか、新人さんが入っても長続きする人はあまりいませんでした。(お局さんとの相性が悪かった人もいる)
下水処理場の処理前の水など、少し臭うサンプルを扱うこともあるのでそれが嫌で辞めた人もいました。
そして、人が辞めて穴が空いた部分の仕事は私や他の社員が穴埋めしていくという悪循環。
穴埋めというよりは、とにかくスキルアップしたいという気持ちが強かったです。お手伝いを覚えだした子どものようでもありました笑
入社当初はモルとは?とか言っていた私も、半年後には環境測定分析士3級(簡単です)や、公害防止管理者試験で3科目の科目合格を取れる程には成長していました。
他の分析会社なら鼻で笑われるようなスキルです。(今でもガスクロやピークの解析は苦手)
ブラック企業に就職したい人は居ないと思いますが、私はこの会社に入ったことで何でもやらせてもらえてとても勉強になりました。大企業だと大卒でないと採用されなかったり、採用されても機器分析などはなかなかやらせてもらうチャンスがないからです。
分析室がそこまで大きくないこともあって、分析機器や設備を他の社員と譲り合いながら使っていました。
なので、自分の担当していない分析項目も同僚の日々の動きを見ることで覚えられたんです。それが現場を離れて資格試験の勉強をしている時でも役に立っています。
あまりの人不足に主任になる
人手不足だと組織図変わりがち
ブラック企業あるあるなのではないかと思いますが、あまりに人が入っては消えを繰り返したのでどこかでバグったんですね。入社1年半が経った頃、主任になりました。何かの間違えではないかと何度か部長に確認したほど信じられませんでした。言うまでもなく、役職手当などはなく名ばかりです。
それまで部下を持ったことのなかった私は色んな失敗をしました。自分がやっていたように手順を守って仕事を進めてもらえなかったり、アルバイトから理不尽な文句を言われたり。
私は、人に教えるのがあまり得意ではない方でした。謙虚さも足りなかったと思います。一部の上司とは掴み合いの喧嘩になったこともありました。
上司をうんこ呼ばわり
会社でも若干浮いていた私は、とうとうやってしまいます。
ある日、上司がいる場でうっかり「あんなうんこみたいなやつ!」と言ったんです。それを聞き逃さなかった彼とはしっかり目が合いました。
後日、元々会社が傾いているのは感じ取っていましたが私はリストラに遭いました。(他にも二人リストラされてた)恐らくあのうんこ発言が理由ではなかったのではないかと思います。(私のクセが強かったのもあるかも)
リストラになるとわかってからすぐに転職活動を始め、県内のダイオキシンを専門に分析している会社とご縁がありすぐ転職することができました。
あまりにもあっけない退職で寂しさ半分、スッキリした感半分でした。大変な思いを沢山しましたがあの時自分の限界に挑戦したので、ある意味出来ない事はない!位の自信がつきました。
20代は、好きなことをがむしゃらにやってみると楽しいですよ〜
過労で倒れるほど頑張るのは絶対ダメですけどね!
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