寒いのになぜか毎年冬服が家から無くなっている中山@RelCat0204です。
ユニクロのウルトラウォームの暖かさは神ですね。
2019年6月に、JGAP指導員研修を受講しました。その内容や、私の今までの農業経験を踏まえながら農作業事故防止に向けてできる事をまとめました。
↓JGAP指導員研修についての記事はこちら↓
普段から様々な農法に関わるうちに、ふと 「どのようにしたら作物の安全を証明できるか?」 「そもそも良い農業の経営ってどのようなものか?」 と考えることが増えました。 だいぶ前に参加した自然栽培の勉強会で「GAPと自然[…]
農業による死亡事故の7割が機械によるもの
安全教育の機会が少ないことが事故の原因?
道府県職員が厚生労働省の「人口動態調査」に係る死亡小票を閲覧する等の方法により実施した、平成29年の1年間の調査では、平成29年の農作業死亡事故件数は304件
そのうちの7割が乗用トラクターの転倒、転落や歩行型トラクターでの挟まれ事故。
農作業安全情報センターHPよりhttp://www.naro.affrc.go.jp/org/brain/anzenweb/index.html
私が今まで働いた農場は7箇所ですが、出荷の手順書があっても農機具の点検、操作に関して安全教育があった農場はたった一農場です。(但し、冬場に市の職員が出張で農機の研修に来てくれることはあった。)
それぞれの農場の職員の年齢層は決して高齢ではありませんが、農業では依然として「見て覚えろ」「やって覚えろ」の文化は根強く残っている印象を私は感じます。
確かに栽培管理に関しては各人の経験や勘が頼りになる事は否めませんが、農機具に関しては「経験者でさえ起こし得る不測の事態」が生じるリスクと、「経験がない事」によるリスクが乗じて不安全極まりない状態です。
経験がない事によるリスクには
操法が未熟であり、誤操作を起こしやすい
作業に手一杯となり、周辺への安全の配慮がしづらい
非常事態の際、取るべき行動が把握できず二次被害に繋がることがある
私が思いつくだけでもこれらが挙げられます。
JGAPでの労働事故の少ない安全な農場を作るための管理点として、
- 「作業者の安全に関するリスクを検討したか」(必須)
- 「作業者の安全に関するリスクを減らすための対策、ルール、手順があるか」(重要)
- 「定めた対策や手順を作業者全員に周知し、実行しているか」(重要)
これら3つがあり、それぞれ事故防止のための対策や文書化がなされているかがJGAP取得審査では問われます。
特に、作業者の安全に関するリスクについては作付けが変われば作業も変わります。
危険と感じる部分は人それぞれ視点が違いますので、経営者のみで考えるのではなく、定期的に農場スタッフが集まり話し合って共有することが大切です。
このように、GAP審査のための管理点には、「作業者が安全に働くためのヒント」がたくさんあります。
誰もが、自分の農場から事故を出したくないと思っているでしょう。
しかし、作物を収穫する際大きさや傷がないもの、などと作業にルールを設けないと出荷作業が進まないのと同じで、安全管理に関してもルールがないと職場内のリスクは下げられません。
具体的な取り組みの例
危険の把握と見える化→農場内や作業で、危険だと思う場所や危険な作業をしてしまった経験をスタッフ間で確認し合う。危険な場所については看板やトラテープなどで注意喚起を行う。
農薬の取り扱いや、農機の運転を行う作業者は必ず訓練を受ける。内部の訓練だけではなく、外部の訓練に参加する(例えば狩り払い機では安全講習が行われています。)
負傷、急病に備えて救急箱を常備する。(離れた圃場に行く際は持ち運ぶ)事故の際の対処を緊急連絡先と応急処置の仕方を含めて手順書にする。
GAPを取る、取らないに限らず、作業者の安全は経営者が最優先に考えるべきことです。
また、これはJGAP指導員研修の際に講師がおっしゃっていたのですが既に認証を取った人の手順書を欲しがる人がいるそうです。農場の数だけ、もっと言えば作業者の数だけ適切な手順書があると考えた方がいいです。
事故が多いという事は、ムリ、ムラ、ムダが多く生じている可能性もあります。今一度自分の職場は安全に作業ができているかどうかを振り返ってみてはどうでしょうか。
参考文献「農場管理を”見える化”し。食の安全を確保するJGAP 実務者のための導入ガイドブック」
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