JGAP指導員研修を受けてみた

普段から様々な農法に関わるうちに、ふと

「どのようにしたら作物の安全を証明できるか?」

「そもそも良い農業の経営ってどのようなものか?」

と考えることが増えました。

だいぶ前に参加した自然栽培の勉強会で「GAPと自然栽培は相性が良い」「GAP審査員が不足している」という話を日本GAP協会の人から聞いていて、もし自分がJGAP認証を取得したらどのようなメリットがあるのか興味が湧きました。

JGAPの本を読んで、おおよその審査適合基準を把握しましたが実際どのように指導員が農家さんと関わっているのかが気になりました。適合基準を把握して問題点を改善するまでのプロセスを手助けするのが指導員の役割だと思ったからです。そしてそのプロセスはとても長い道のりになるとも思いました。

自分が農業経営をするとき、知識として知っておくといいだろうと思いJGAP指導員研修の受講を決めました。

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JGAPとは?

まず、GAPについて簡単に説明します。

GAP(Good Agricultural Practice)直訳すると「良い農業のやり方」です。今回私が受講したJGAPは、農場やJAなどの生産者団体が活用する農場管理の基準です。GAPには、都道府県独自のGAPやASIA GAP、GLOVAL GAPなど様々な種類がありますが今回詳しくは割愛します。

JGAP指導員研修について

受講資格はなく、誰でも受けられる

農家がJGAP認証を受けるには、まずJGAP指導員から指導を受け、JGAP審査員に審査を依頼するという流れがあります。主に農場の問題点、改善提案を行う指導員については特別な受講資格はなく、誰でも受講することができます。

私が受講した時は、受講者は約20名で農業従事者、JA職員、自治体の農業普及員、食品会社、旅行会社と属性はまちまちでした。

研修は農場実地研修があるものがオススメ!

では研修を申し込もう!と思い日本GAP協会のサイトにアクセスしてみます。JGAP指導員基礎研修は、大体の場合2日の日程で組まれています。(開催場所によっては宿泊施設の手配が必要ですね。)

個人的なオススメは、研修農場での実地研修があるものが良いと思います。私は今回熱海にあるMOA大仁農場での研修を申し込みました。農場見学があるため2泊3日と受講日数が長めになりますが、この農場は実際にJGAP認証を受けており、倉庫や薬品庫なども見学することができます。

実際現場に行った時の指導を模擬的に体験することができて、指導時のイメージもしやすくなります。運良く農場実地研修のある研修の枠が空いており、費用的に余裕があればぜひそちらを受講するのがオススメです。

研修では何をする?

↓大体このようなカリキュラムとなります。

GAPの考え方、仕組み
GAPの管理点、適合基準を、ケーススタディで学ぶ
JGAPの指導方法
農場や農薬保管庫の見学(実地研修がある場合のみ)

事前に本を読むなり、日本GAP協会のサイトから調べるなりして管理点、適合基準についてざっくり理解しておくことをオススメします。講師が丁寧に授業を進めてくれますが、管理点、適合基準は沢山あるので全てを詳しく網羅するのが難しいです。
何となくでも頭に入っていればグループワークや実地研修の理解がより深まります。

ぶっちゃけ、グループワークのメンバーに「ちゃんと話し聞いてた?」みたいな人もいました笑

高い受講料払って来ているのにもったいないなぁ。

JGAP指導員のテストはいつやるの?合格基準は?

試験は帰るときに渡されるので持ち帰って自宅で解きます。講師によっては要所要所で出る所を口頭で伝えてくれるのでちゃんと聞いておきましょう。最悪聞いていなくても受講で使ったテキストを見ればわかる問題がほとんどです。

受講から大体1カ月程度猶予があると思いますが早めに提出が吉ですよ。提出期限に間に合わなかった場合、もちろん不合格となり指導員資格を受けることはできません。注意してください。

合格基準は、100点満点中80点以上で合格です。(2019年6月時点)

ちなみに私は94点でした。

JGAP指導員研修を終えて

すぐに指導員として登録し活動する人はあまりいない

指導員カードが交付されましたが、私は実際に指導員登録はしていません。指導員としての技術が不十分だと感じるからです。この件について、試験合格後の技術面でのギャップを埋める方法を講師から聞こうと思いましたが、中々的を得た質問をすることは出来ませんでした。農業普及員さんなんかだと、普段から営農相談も受けているのでステップアップは比較的容易なのかな、というイメージを受けました。

受けてよかった!と思う点

JGAP指導員としての役割の中に、農作業中のリスクの洗い出しというものがあります。

例えば、ほうれん草を収穫してからパック詰めして直売処に出荷するまでには様々なリスクが存在します。

収穫者の手から病原菌に汚染されるリスク、虫などの異物が混入するリスク、出荷までの温度変化による品質低下のリスク等、収穫〜出荷だけでもざっくりこれだけのリスクがあがりますね。(まだあるかもね!)

これが、栽培開始から出荷までとなったらどうでしょう?そして、JGAPでは作物へのリスク管理だけではなく、作業者に対するリスク管理も求められます。農業従事者の労災による死亡率は、建築現場のそれよりも多いと言われています。JGAPは人と作物の安全のための仕組みでもあるんですね。

作業に付随するリスクをその都度意識して仕事をするという考え方は、いつでも活かせそうですね。管理点、適合基準を読むだけでも十分です。今すぐ作物の管理に役立てられると思います。

JGAPは、認証を取るというよりは実施することに意義があるのではないかと感じています。費用もかかることですし。(都道府県で補助が出ているところも多いです。)何より、JGAPを実施すると職場が綺麗に整頓されます。たまに、とっ散らかす時もありますけどね。

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